医療

初めて受けた大腸内視鏡検査(CF)の体験談と使われる薬の解説

大腸内視鏡検査

健康診断で便潜血が陽性だったので、しぶしぶ大腸内視鏡検査(CF)を受けてきました。

自分の職場の病院でCFをしてもらうのは恥ずかしかったですが、その体験談を書いてみました。

大腸内視鏡検査で使った薬剤

CFで使った薬のレビュー(?)を薬剤師の視点で書いてみました。

ピコスルファートナトリウム内用液

検査の前日に半分(5mL)を内服します。

通常1mL(15滴)程度の服用なので、こんなに飲んでお腹が痛くならないか不安でした。

でも当日の朝まで、特に変わったことはありませんでした。

味は、やや甘く、まずくはなかったですね。

マグコロールP®

腸内を洗浄するために、経口腸管洗浄剤を飲むわけです。

職場の病院では、以前スクリット(ポリエチレングリコール製剤)を使っていましたが、味の評判が悪く、マグコロールP(マグネシウム製剤)に替わった経緯があります。

で、そのマグコロールPの感想はというと、

「おいしい!」

これはまるでスポーツドリンクです。

なんならスポーツドリンクとして飲まされても気づかないレベル。

ただ、1.8Lを2時間程度で飲まなければいけないので、そういう意味では飽きるし結構キツイです。

私は飲み始めてから排便まで45分くらいかかりましたが、通常は30分くらいで出始めるようです。

ちなみに説明の時点で、5段階の便の写真を見せられます。

固形から透明な液体になっていく過程を写真に撮ったものですが、あまり見たくないと思うので、ここでの掲載は割愛しますね。

で、マグコロールPを飲み終わる頃には、5段階のうち4~5くらい(黄色い透明な状態)になります。

ただ、便秘がちな人などはすぐに便が出なかったり、透明にならなかったりするかもれません。

バルギン消泡内容液®(ジメチコン)

バルギン消泡内容液は腸内にガスの泡ができて、見にくくならないようにするために服用します。

マグコロールPを半分飲んだところで、これを飲みます。

添付文書上は2~4mLと記載されていますが、15mL飲むことになっていました。

かなり多く感じますが、この薬の成分であるジメチコンは、ほとんど体内に吸収されないので問題ありません。

味は、ほんのり甘いだけ(ピコスルファートよりさらに薄味)で、おいしくも不味くもありません。

例えるなら、ジュースを飲み終わったコップを放置して氷が全部溶けたときのような残念な味です。

ブスコパン®(ブチルスコポラミン)注射液

ブスコパン注は腸管の動きを止めるために打つ注射薬です。

CFを受ける上で「そんなに痛いことはない」と思っていましたが、この注射の存在を忘れていました。

これは筋肉内注射(筋注)で投与します。

皮下注射は注射液を入れるときに鋭い痛みがありますが、筋注は鈍痛がきます。

何と言うか、腕が重い感じ。

例えるなら、二の腕を硬いものに強打して、5分経ったような痛みです。

筋注は痛いとよく聞くので、その場で激痛を覚悟しましたが、いざ注射されてみると、

「意外と痛くない・・・」

という感じでした。

で、注射して数分で効き始めます。

なぜそれがわかるかというと、口がめっちゃ渇く!

歯茎に唇が張り付くくらいカラカラになります。

ちなみにこの症状は半日くらい続きました。

かすみ目など他の副作用は感じませんでしたが、緑内障や前立腺肥大症の人は注意が必要です。

大腸内視鏡検査

大腸は小腸を囲むようにお腹をぐるっと一周しています。

大腸内視鏡検査はこれを直腸側から逆に進んでいきます。

まず、肛門に潤滑ゼリーを塗られます。

キシロカインゼリーが使われることもありますが、キシロカインショックを起こすことがあるので、最近はあまり使われなくなりました。

で、内視鏡を入れられる瞬間は「おふっ・・・」となりますが、それ以降はそれほど違和感はありません。

それよりも、腸を膨らませて見やすくするために、ガス(二酸化炭素または空気)を入れながら進んでいくので、その圧迫感が少し痛くて、なんだか苦しい感じ(呼吸は大丈夫)です。

終点(盲腸あたり)まで到達すると、モニターを見せてもらえるようになりました。

そこから少しだけ小腸に入って診察をして、戻ってきます。

ところどころで、排泄しきらなかった黄色い液体がありますが、それを吸引しながら病変がないか確認していきます。

と同時に、ガスも抜きながら戻っていくので、カメラの前方の腸がつぶれて閉じていくのが見えます。

このようにして、カメラを抜きながら観察していきます。

その途中途中で体の向きを変えたりしました。

腸壁に隆起しているところを見つけると、光の波長を変えて観察します。

波長によっては、腫瘍がよく見えるようになるそうです。

最後は痔の確認のため、ガスを入れながらカメラを180°曲げて、肛門付近を観察するのですが、このときが一番痛かったですね。

大腸内視鏡体験談のまとめ

薬剤師として調剤している薬を実際に使いながら検査を受けてみて、多くの発見がありました。

結果的に、大腸内視鏡検査はいろいろと面倒くさいですが、思ったほど苦痛はありませんでした。

安心のためにも定期的に受けるように心がけましょう。