薬の話

白血病治療薬キムリアに3349万円の超高額薬価│医療経済への影響を考える

超高額薬価キムリアってどんな薬?

白血病の新薬、キムリア(KYMRIAH®)が保険適用になりました。

薬価は日本最高額の3349万3407円です。

もはや端数の3407円は必要なのかとさえ思いますね。

キムリアはどんな薬?

キムリアはノバルティスファーマが発売した新しい白血病治療薬です。

このキムリアは、既製品として世の中に出回るのではなく、患者本人から採取した免疫細胞(T細胞)から製造されます。

具体的には、採取したT細胞をアメリカの専用の施設に送り、遺伝子を改変して、がん細胞への攻撃力を高めてから、それを培養します。

その培養したT細胞を日本に送り返し、元の患者の体内に戻すというわけです。

つまり、薬というよりも自家細胞の移植と言えます。

ちなみにそのT細胞(キムリア)は、がん細胞を攻撃しながら分裂して増えてくれるので、追加投与の必要もありません。

がん細胞を駆逐するまで効果を発揮し続けるのです。

適応症は「再発又は難治性のCD19陽性のB細胞性急性リンパ芽球性白血病」です。

ちょっと難しいですが、要は他の治療法では上手くいかない、ある特定の白血病に使うというわけです。

しかも25歳以下の患者にしか使えないという縛りもあります。

効果としては難治性の白血病の83%が寛解(再燃する可能性があり、完治したとは言い切れないが、一旦症状がなくなった状態)するようです。

キムリアの薬価は超高額

前述のようにキムリアの薬価は3349万円と超高額です。

そのため、保管方法を誤って使えなくなったり、こぼしたりした時点で病院が潰れかねません(笑)

当事者も退職金をもらえなくなりそうですね。

患者の自己負担額は?

通常、25歳以下の患者の自己負担は3割なので、約1000万円程度。

でも日本には高額療養費制度というものがあって、41万円の負担で済みます。

高額療養費は、平均的な年収だと月額8万円程度で済むはずです。

しかも4回目以降はさらに下がって44400円になります。

この状況で41万円かかるということは、検査や採血、投与などで数ヶ月通わなければいけないからだと思われます。

どちらにせよ、3300万円の負担が41万円で済むのはありがたいことですね。

日本の医療費への影響は?

日本の医療費は42兆円にのぼります。

キムリアを使う患者は、予測で年間200人程度であり、その薬剤費は100億円にもなりません。

高額と言えば高額なのですが、42兆円に比べると誤差範囲のレベル(0.02%)です。

しかも肺癌治療薬のオプジーボ(年間約3500万円)のように何回も使うわけではなく、1回で終わりです。

なので国の医療経済の面については、さほど心配はいらないのではないでしょうか。

それよりも、高額で対象患者数の多い薬剤や、繰り返し使わなければいけない薬剤の方が医療経済を圧迫します。

なにより、湿布やビタミン剤を湯水のごとく処方してもらえるシステムの方が問題です。

直接命に関わらない薬剤については自己負担割合を増やすなどの工夫が必要かもしれません。

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