病院へ行くと、「患者様」「患者さま」という呼び方や、表記に出会うことがあります。
私の職場でも「患者様」ですが、なんだか失礼だなと思っています。
「患者様」という言葉はおそらく「お客様」という言葉に影響されて生まれた言葉だと思いますが、私はものすごく違和感があるので「患者様」という言葉は使いません。
「患者様」が失礼な理由や患者の呼び方に関して考えてみました。
患者とは「患う者」
患者という言葉は「患う者」つまり「病気にかかっている人」という意味です。
「様」はそもそも敬意を表して付ける「敬称」なので、病気にかかっていることに対して敬意を示すことになり、失礼にあたります。
これは「患者」という言葉の中の「患う」という漢字があまり一般的ではなく、その意味合いが薄れているからだと思われます。
もし「患者」よりも「病人」と呼ぶのが普通の世の中だったら「病人様」とは言わなかったでしょう。
なんだか病院にとって「いい鴨(カモ)」と言われているような印象を受けますからね。
「障害者」に「様」を付けないのも同じ理由からでしょう。
そんなわけで、私はせいぜい「患者さん」と呼ぶようにしています。
名前がわかれば名前で呼ぶのが一番です。
とは言え、言語というのはこうやって変化してきたわけですから、この先一般的な言い方になってしまうかもしれませんね。
名前に「様」をつけるのも考えもの
名前にしても「様」をつけるのか「さん」をつけるかで迷うところ。
患者の名前に「様」をつけるのを廃止して、「さん」に統一したところ、クレームが減少したという報告もあります。
つまり、患者の心理として、「様」と呼ばれることで「自分の方が立場が上だ」という潜在的な刷り込みが起こっていると考えられます。
看護学などでは「患者に寄り添う」ことを是としていますが、「様」をつけていると寄り添うというよりも「付き従う」ようなイメージになってしまします。
医療従事者にとってホスピタリティは大切ですが、相手を崇拝する必要はないのです。
親しみを込めたくてもタメ口はダメ
寄り添うと言っても、その意味を履き違えてはいけません。
患者にタメ口で話す人や子供に対して話すような口調で話す人が散見されます。
特に看護師さんで多い印象です。
言わずもがな、医師は横柄な態度をとる人が多いですが・・・。
いくら相手に寄り添うと言っても、敬う気持ちは忘れてはいけません。
タメ口や人を見下したような話し方は相手を不快にさせるだけです。
くれぐれも気を付けましょう。