正露丸がアニサキス症の痛みに対して特許を取得したというニュースが話題になっていますね。
ちょっと前に品川庄司の庄司智春さんが感染したことでも話題になりましたね。
ちょくちょく話題になるアニサキスですが、一体どんな病気なのでしょうか?
そして正露丸は効くのでしょうか?
薬剤師の立場から考えてみました。
アニサキス症ってなに?
まず、アニサキスというのは線虫というイトミミズのような寄生虫です。
寄生しているのに気付かずに生魚などを食べてしまうと、アニサキスが胃や腸に食い付くことがあります。
アニサキス症はのたうち回るような強烈な痛みが特徴ですが、その痛みの原因は、アニサキスに食い付かれたせいではありません。
胃カメラで胃のポリープを切除しても痛みを感じないのに、小さな虫に食い付かれたくらいで激痛が走るわけがありません。
その痛みの正体は、実はアレルギー。
アニサキスに対するアレルギーで、強烈な炎症を起こし、激痛を感じるわけです。
つまり、自分で痛みを作り出しているのです。
なので、アニサキスにアレルギーがない人は、食い付かれても何ともないと言われています。
花粉症や痛風など、免疫というのは時に残念な症状を引き起こすのです。
アニサキス症に正露丸は効くのか
僕個人の意見として、結論から言えば、効果はありそうだなとは思います。
正露丸に含まれる木クレオソートには、アニサキスの運動を抑制する効果があるからです。
でも、薬機法(旧 薬事法)上、正露丸がアニサキス症に対して効果があると謳うことはできません。
薬で「効果がある」と言えるのは厚労省が認めた場合のみです。
つまり特許を取っても、薬として「効果がある」と言ってはいけないのです。
「じゃあなんで特許なんて取ったの?」
と思われるでしょうが、おそらく世に知らしめて多くの人に買ってもらうのが狙いでしょう。
なにせ、使い道のない特許ですからね。
果たして世間はアニサキス症に正露丸を使うのか
ある日強烈な腹痛があったときに、自分がアニサキス症だと判断できるでしょうか?
これは難しいと僕は思います。
過去にアニサキス症の経験があれば、気付くかもしれないですが、初めてではまず無理でしょう。
さらに、正露丸が家にあればいいですが、最近の家庭にあまり置いていないでしょう。
「じゃあ、アニサキス症のために正露丸を常備しておこう」と思うかもしれませんが、その前に生魚を避けた方が賢明のような気がします(笑)。